飯田「上海楼」

餃子の展開。

食べ歩き ,

11時に店が開くと、瞬く間に席が埋まった。
飯田市民のソウルフードなのだろう。
中華そば、ワンタン麺、チャーシュー麺、五目麺、味噌ラーメン、タンメン、餃子と、品書きはいたってシンプルである。
だがどの客も中華そばと餃子を食べている。
厨房は2人、ご夫婦のようで主人が麺料理、奥さんが餃子を担当している。
「餃子とビールをお願いします。ビールは餃子と一緒に持って来てもらえますか」と、お願いした。
しばらくして運ばれた餃子は、揚げ餃子であった。
しかもキャベツの千切りの上に乗せられている。
タレを入れる小皿がないので、頼む。
まずは、酢だけをつけて食べる。
ガリッ。カリリッ。
痛快な音が響いて、餡が現れる。
うっすらと甘い餡である。
肉も野菜も存在が見えずに一体となった、ムースのような餡である。
皮の凛々しい食感と、餡の頼りない食感の対比が面白い。
酢しかつけてないのに、醤油の味がする。
キャベツの下を見れば、タレが見えるではないか。
つまり揚げた餃子をキャベツに乗せ、餃子タレをかけているのである。
タレは、酢醤油に甘さと豆板醤的辛さがほんのりと感じる。
ガリッ。カリリッ。ふんわりを食べ、キャベツをザクザク食べる。
ああ、ビールが進む。
作っているところ見れば、餃子は半身浴揚げで、菜箸で面を回しながら全体がカリッとなるように揚げ、キャベツを盛った皿に盛り、タレをかけている。
つまりキャベツは油切れの役目も果たしているのね。
だから油がほんのり落ちたキャベツとタレをよく混ぜて食べれば、これもつまみになっちゃう。
家でやってみようっと。
中華そばの話はまた後で