食べ歩き
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小麦が生地に、ダンスを踊らせている。
食べ歩き小麦が生地に、ダンスを踊らせている。 大きなベーグルを、よいしょと千切り、口に放り込む。 カリッと香ばしい表皮が弾け、歯が生地にめり込んでいく。 その途端……
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白菜の上に
食べ歩き白菜の上に、白子が一つ。 ごま油でじっくりと、くたくたに炒められた白菜は、白子を抱いて舌に、上顎に、歯にしなだれ、溶けていく。 同じ食感で消えゆく両者の誘惑……
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ノミブ。
食べ歩きノミブ。という活動があることを、ご存じだろうか? ノミブ。は、かつて毎月一回部活動を行い、部員を増やしていった。 部則は以下に記す通りである。 一、常に自……
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存在感があるのに
食べ歩き存在感があるのに存在がない。 その肉団子は、食感という気配を消していた。 歯を当てた瞬間に、ふわりと歯が吸い込まれる。 よく来たねと、いたわるように歯を包……
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VIRONのパンに
食べ歩き , 日記VIRONのパンに、マリー・アン・カンタンのバターをたっぷり載せる。 そして上等な蜂蜜を、てろりと垂らす。 パンの塩気が広がり、バターの優しいコクと蜂蜜の甘……
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ずずん
食べ歩きずずん。 その肉は一噛みした瞬間に、地鳴りがした。 心臓の鳴動が味の中にあって、体を揺さぶるのである。 どどうっ、どどうっ。 噛めば噛むほどに、肉汁が流……
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無骨である。愛想がない。
食べ歩き無骨である。愛想がない。 エチケットも裏書きも、瓶口のシールもないボトルは、黒々として不気味である。持てば、ずしりと重い。 しかも、エチケットの糊が……
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天竜「竹染」
ラスト猟師。
食べ歩き店主片桐邦雄さんは、料理人であり、猟師である。 罠にこだわる猟師である。 毎朝、罠を見回り、かかった獲物を生きたままジムニーに載せて運び、解体する。 血が筋肉……
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銀の塔とシチュー
食べ歩きシチューの日本へ来歴は定かではないが、明治4年、東京の洋食店「南海亭」のちらしに、「シチウ(牛・鶏うまに)」との品書きが見出され、仮名垣魯文『西洋料理通』(明治……
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都会にあった精神の田舎<隠れ家シリーズ>
隠れ家 , 食べ歩き「シェ・ナガタ」の「ネギのポタージュ」 空は青く、高く、丸かった。 ビルに遮られない空と猥雑な看板に汚されない空が、伸びやかに広がっている。 人の姿は……
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