「そば処 おか田」で霜柱を踏む。

食べ歩き

「ザクザクッ」。
隣から、霜柱を踏むような音が聞こえてきた。
ここは小伝馬町の立ち食い蕎麦屋「そば処 おか田」である。
いやここは、座って食べるので、立ち食いではないか。
隣の人は、かき揚げそばを食べていて、かき揚げを噛むごとに、ザクザクッと、軽快な音が響くのであった。
かき揚げは、人参と玉ねぎで、揚げたてではないが、衣が凛々しく、かように食べ応えがある。
僕は天つけそばに、三つ葉かき揚げを追加した.
「はい、お待たせしました.天つけそばにかき揚げ、三つ葉天でぇーす」。
奥さんの明るい声が店内に響く。
取りにいけば、なんと天つけそばのつけ汁は、かけそばの温かいつゆではないか。
冷たいつゆに冷えた天ぷらをつける侘しさも捨てがたいが、温かいつゆにつけた方が、だんざんうまい。
玉葱やにんじんの甘さを噛み締め、三つ葉の香りを楽しみながら、ザックザックと威勢の良い音を響かせた。