鮭児のスープだと言う 2012.10.31 食べ歩き , 白身魚 , 東京 , 魚介 , イタリア料理 , スープ Tweet 鮭児のスープだと言う。 身と骨、皮、内蔵を、すべて煮溶かした鮭児のエキス。 肝の妖艶も骨の太い滋味も、身の清廉も皮の香りも一緒くたになって、舌を包む。 コーフンさせるのだが、味は丸く、どこも引っかかりがない。 複雑なうまみが、味覚をたぶらかし、意識を骨抜きにする。 一口飲んで、黙り、二口飲んで、さらに押し黙り、三口飲んだうなずき、四口目の後、「うまいなあ」と、ようやく呟き、顔を輝かさせる。 門前仲町「パッソアパッソ」、スープの魔術師有馬シェフの傑作。