魚 の お い し い 酒 亭 

渋谷・大漁
渋谷の裏路地、小体な店を夫婦二人で営む。香り高く、甘みや鉄分などの滋味を感じさせるい刺身類を始め、程よく締めた「コハダ」や「炙り〆サバ」、下仁田ねぎのの甘みが生きた「白子ホイル焼き」、上品な脂のキレを見せる「さわらカマの塩焼き」、特大「かますの塩焼き」、身がみっちりと詰まった茹で「毛蟹」、ミル貝やあわびの「泡塩炭火焼き」、脂ののった「キンキの煮付け」、「車エビのポテト焼き」、熟成させたワタと新鮮なアオリイカを合わせた「塩辛」など、魚に精通したご主人、奥野忠さんならではの料理を楽しむことができる。しめには、注文が入ってから焼き、ご飯を炊いて作られる、焼き鯛と玄米茶による特製の「鯛茶漬け」をぜひ。品書きは日替りで小黒板に手書きされるが、ご主人に好みと予算を相談して頼むのがおすすめ。予算一人七千円〜。

閉店

築地・魚竹
細長いカウンターが伸びるこじんまりとした店は、連夜うまい魚を手軽に楽しもうという客で満席。
まずは黒板に書かれた「今週の人気ベスト5」から選び、あとは好みの品をじっくり選んで楽しむのがおすすめ。人気の品は「三浦半島地だこのあら塩焼き」九百円。茹でたタコに塩をまぶして炙ったものだが、タコの甘み香りが最大限出すような火の通しがすばらしい。そのほか、脂ののった「松輪〆サバ」、ねっとりとした食感の「肝味噌漬」、ふっくらと焼かれた「穴子白焼き」、こっくりと煮込まれた「かさごの煮付け」、うまみ引き出した「ひげたら昆布シメ」など、魚好きであれば、思いが千々に乱れるほど心にくい品書きが並んでいる。その上「肉じゃが」、「とろろ昆布雑炊」などの野菜、ご飯料理もすぐれもの。酒は、浦霞み、酔鯨、田酒など。出かける際は小人数で、早めに出かけたい。予算四千円〜。

千住大橋・田中屋
魚料理ととんかつが名物の下町庶民的居酒屋。
人気は、目移りしてしまうほどの魚料理の豊富さと値段の安さ。刺身類は、まぐろ、平目、しゃこ、あわび、小柱など約十七種類、焼きはキンキ、イサキ、タカベなど約十種類、ナメタガレイ、メバルなど煮付けは三〜四種類揃い、伊勢エビなど特殊例を除けばすべてが千円前後である。いずれも量質とも申し分なく、魚好きを裏切らない。その他、丁寧な仕事を感じさせる蒸しあわびなど、酒飲みのツボをつく肴も。店内は、刺身を食べ、とんかつでしめる近隣の客で賑わっている。ちなみにとんかつもご飯も上等な味。予算三千円〜

三宿・一隆
大座敷もある広々とした店内は、予約せぬと入れぬほど連夜満席。その秘密は価格。刺身盛り合わせ二千二百円、真鯛やカレイの刺身千二百円と価格的には他店とそうは変わらないが、分厚く切られて盛られた刺身類は他店の二倍以上の量。店内は、大宴会の如く刺身類をずらりと並べてご満悦な客や、一箱まるごとホイル焼きにした「うにの塩焼き」をつつき合う客や、黙々と毛蟹やたらばをほおばる客、「キンキ煮付け」二千円でご飯を食べる客など、家族連れからカップル、サラリーマンの団体まで、銘々に魚介を楽しむ客で騒然となっている。中でも「本日のサービス」と書かれた刺身は、他店の三倍量はあるので要注意。「うまい魚を食わせてやる」と、部下を連れてきて大盤振舞するには最適な店でもある。予算三千円〜。

月島・味泉
酒亭好き、銘酒好き、魚好きにとってこれほどすぐれた店はない、と最近とみに評判が高い店である。繁華街から離れているのにもかかわらず、席がとれぬほど盛況である。その魅力の一つが、魚を知りつくしたご主人による刺身類。ほの甘い香りを漂わせる「茹でダコ」、うっすらと飴色に染まった「ヒラメ刺身」、店で剥いたとただし書きが付いた「殻付き鳥貝」、キラリと光り輝く「サヨリ」、紫蘇の葉と生姜を巻いて出す「コハダ」、煮た穴子を炙って出す、スシ屋顔負けの「煮穴小」塩でシメ、焼き霜造りにした戻り鰹、上品な甘みを秘めた「アイナメの煮付け」、珍しい「エボダイ」や「サワラ」の刺身など、魚好きを唸らせる品の数々。さらに神亀、飛露喜、王祿、刈穂などずらりと飲み手を誘う銘酒の数々。焼酎の揃いも的確、毎晩のように訪れたくなるは必至。予算五千円〜。

新宿・五郎
品書きがなく、その日仕入れた最上の魚よりご主人と相談の上、予算と相談し、魚一匹を丸ごと様々な方法でいただく珍しい店。例えば黒鯛を刺身で存分に食べ、アラをじゅんさいとともに、豪快な潮仕立てにして食べる。しまあじを、半身は刺身にし、半身はしゃぶしゃぶで食べ、カマは塩焼きか酒蒸しにして食べるといった具合。一種類の魚だけだが、持ち味に合わせた工夫と質のよさで決して飽きることがないどころか、魚に対する感謝の気持ちがわいてくる。酒は持ち込み可。予算七千円〜。

閉店

西荻窪・外道屋
釣り好きの陽気なご夫婦が営む魚料理専門店。店内に入ってまず目につくのは、数十本整然と立てかけられたカラフルな釣り竿。魚好きのご主人がそろえる魚は、箱ふぐ、飛魚、的鯛、ひらそうだ、かます、きあじなど、高級魚ではないものの、それぞれに味わいが深い魚たち。それを毎朝三崎魚までいって仕入れてくる。

閉店

 

下北沢・とぶさかな
若者の街下北沢で、魚がおいしい酒亭として評判。コの字型のカウンターは、開店と同時にすぐ埋まってしまう。店内で働くは若い店員ながら、元魚屋という若主人の元、魚に精通していて見事な対応を見せる。