フランスのMOF(国家優秀職人)受賞シェフであるエリック・トロション氏(パリのSemilla)をアドバイザリー・シェフに迎えた、複合レストラン。
木材を中心としたモダンな内装を持ち、中央の厨房を囲むように席が配置されており、奥がビストロ、手前がカフェ、そして入口がエピスリー(食料品店)という構成になっている。
シェフは国内やフランスのレストランで修行した小林直矢氏。日々全国から届く野菜をその場その場で調理していく。
そのため、「シェフのおまかせメニュー」8000円のコースの野菜料理は日替わりで、直前に決まる場合もあるという。
ある日の同コースは、前菜が、「ビーツのスープ」。真っ赤な冷たいスープにリンゴの細切りやナッツなどが散らされた皿で、ビーツの風味が生きるよううまみが抑えられた味のバランスがいい。
続いての料理は、「オマールエビの冷たいポトフ」。オマールのフォンと野菜の出汁が自然に溶け合った、淡く優しいうま味を持った冷たいスープに、生暖かく火が通されたオマールをからめて食べる。添えたフェンネルや野菜類、ライムとの調和も楽しい。
続いて丸茄子にブリードモーチーズを乗せて焼いた皿。茄子の甘みに、ブリーの香りとコクが追いかけて、少し色っぽくなる。生姜をスェして作ったという、トマトソースには、クミンが効かせてあり、茄子にとても合う。
続いて「ひらすずきのロティ」。うまみを引き出した焼き魚には、チェリーソース、ウイキョウ、オクラ、ほんのり甘い新玉葱パウダーが添えられる。
肉料理は「子羊のロティと煮込んだ子羊」、ローストと煮込み二つの加熱法による仔羊の味わいを楽しむ。付け合せは、なめらかで穏やかな甘さ持つアンデスレッドと、ヤングコーン。
デセールは、「羊乳のブランマンジェとアイスクリーム、塩とオリーブオイル」。
店は活気に富んでおり、サービスもフレンドリーで、快適な空間である。お二人で行かれるなら、ぜひライブ感のある厨房と向き合ったカウンターをおすすめする。
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