白菜の上に

食べ歩き ,

白菜の上に、白子が一つ。
ごま油でじっくりと、くたくたに炒められた白菜は、白子を抱いて舌に、上顎に、歯にしなだれ、溶けていく。
同じ食感で消えゆく両者の誘惑に、目を閉じる。
白菜の温かい甘みと白子のいやらしい甘みが、混じり合う。
静かに忍び寄った冬の匂いが、深々と充足のため息をつかせる。
トゥーランドット臥龍居の冬。