瑞風にしか流れていない

食べ歩き ,

トワイライトエクスプレス瑞風、最初の夕食は「ハジメ」の料理だった。
今はコロナのため、食堂車ではなく、部屋に一皿ずつ運んできてくれる。
車内でハジメの料理を再現し、それを5号車から2号車まで、温度を損なうことなく、崩さず運ぶのは、どれだけ大変なことだろう。
しかしそこには、一切の妥協もなかった。
また米田シェフも、再現性が高くなるよう何度も試作したという。
その料理は「ハジメ」で出される思想をそのまま受け継ぎながらも、いい意味でダウンサイジングした、素晴らしきものだった。
まさにブロとブロの高い意識が重なった、提供である。
もしこんなレストランがどこかにあるなら行きたいと思う。
いやそれは不可能である。
車窓から流れる風景を見ながら、ゆっくりと美しい料理の香りと味に酔い、ワインを飲む。
そんな時間は、瑞風にしか流れていないのだから。
★生命
白甘鯛フライ サフランと胡瓜の酢漬けソース
アミューズの名に相応しいほど、単純に素晴らしくおいしい。
★川
ニジマス 独活 葉ワサビ、クレソン、オゼイユ
しっとりとしあげた、ニジマスのいろけがあること。
りんご デに切った野菜。オゼイユのソース
★地球
あさりのエマルジョンと50種のやさい。、ソースはビーツ サラダ菜 カボチャ
かのスペシャリテを、形を変えて表現。しかしながら各野菜のサイズや加熱具合、みずみずしい感じなど、精妙に計算されたものが、蘇っている。
★海
鮑、玉ねぎ、カリフラワー トリュフ
小玉ねぎにトリュフソース
鮑 カリフラワーソース ヴィネグレツトそーす
★希望 《生命と大地の芽吹き》
広島峠下牛乳ラン下
セロリアックのソースと黒ニンニクピュレ
★収穫
アイス 苺
★ルシュクレールのパン
★食後は流れゆく夜景を眺めながら、デュラス40年をとっぶりとやる。
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