涙のカブ。 旬の歳時記。 2012.11.29 食べ歩き , 和食 , 東京 , 割烹 , 根菜 , Tweet 元赤坂辻留で「みぞれ汁」を飲み、「うっ」と声を漏らしたまま、無言になった。 おろしたかぶとダシを半々にあわせ、四方焼き豆腐と芹を種とし、七味をふった椀。かぶの甘味と香りがゆるゆる広がって、幸せが満ちていく。 だしが出すぎず、かぶの優しさを静かに支えている。 七味も極々微かに、かぶを引き立てる。 「ありがとう」。 慈愛の言葉が、一口とすするたびに湧いてくる。 最後の一滴を飲み干した時、涙がこぼれた。 旬は3~5と10~11の二回