東京とんかつ会議93東京駅八重洲北口「寿々木」上ロースかつ定食1550円

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議93
東京駅八重洲北口「寿々木」上ロースかつ定食1550円
【肉3油2衣2キャベツ3ソース2御飯3味噌汁3お新香2特記なし計21点】各項目3点満点特記1点総計25点満点 

 東京駅キッチンストリートにはいる各店の中で、最も行列が出来る人気店である。白い木のカウンターに明るい店内と、実に清潔感に富んだ店で、心地が良い。
 また店の責任者であろう、とんかつの揚げ手の職人の気配りが素晴らしく、揚げ物の種類やご飯の大小など、様々な客の注文を支持して進行していくので、料理の出に澱みがない。
 とんかつは二つの銅鍋で、高温から低温と移して揚げられていく。上ロースかつの肉は、キメが細かく、ほの甘い肉汁を含んでいて、かなり揚げているが、最後の一切れになってもしっとりとして味を失わない。油の切れもいいが、植物性だろう、油にコシと香りがないのが残念である。
 衣は粗めで、肉にぴったりと寄り添って剥がれることなく、サクサクと歯切れがいいが、粗すぎて衣が威張りすごてしまう嫌いがある。それゆえに食べ終えると皿には、余分な衣が残ってしまうほどである。もう少し細かくしてくれれば肉とのバランスが良く、より良いとんかつになるのではと思った。
 脇役陣ではキャベツがみずみずしく甘く、味わいのあるご飯、味噌の香りたつ赤出汁のしじみ汁が良かった。お新香は大根の浅漬け、ソースは一種類で、甘めだが後口にくどさは残らない。塩は卓上にはないが、言えば用意してくれる。2016