神田「万平」

昭和とんかつ。

食べ歩き ,

ご存知私は、「東京とんかつ会議」をネット上で開催し、それがテレビ番組にもなり、この度本まで出版される運びになりました(ぴあより絶賛発売中)。

まあ、2年半で東京のとんかつ店、130軒を食べ歩いたのですね。

その中でのベスト3は、御徒町「ぽん多」、浅草「すぎ田」、高田馬場「成蔵」で、これは不動です。

ただ一方で、昭和の匂いを残したとんかつ屋も、たまらない。

その一軒が、風情ある界隈で、半世紀以上の人気を得ている、「万平」である。 

老年のご主人が中温で揚げ、オーブンで油を焼き切るいも豚のとんかつは、カリリと揚がった茶色の細やかな衣が、肉をふんわりと抱きしめている。

噛めば、しっとりと肉汁が流れ出て、甘い脂の香りが鼻に抜けていく。

ああ、これぞとんかつ。

アルマイトの皿に鎮座したお姿も、まさしく昭和のとんかつである。

脇役陣も優れている。

キャベツは、細くみずみずしく、ご飯や甘口の味噌、よく漬かった白菜の漬物も手抜きがない。

そこへ、気さくなおばさんたちの心が行き届いたサービスが加わって、気分を和らげる。

東京でとんかつを食べながら、心温まる時間を過ごしませんか。

 

神田「万平」 閉店