夏が湧き立っている

食べ歩き ,

夏が湧き立っている。
低温でポシェされた厚岸の牡蠣が、つるんと口に滑り込むと、甘いエキスを舌に広げ喉に落ちていく。
微かな牡蠣のエグミを感じた刹那、ソースに混ぜたコリアンダーの香りと共鳴して、夏が爆発する。
そこへとうもろこしの甘い夏の思い出が寄り添い、小さな皿の上の出来事は、心の中の郷愁とつながっていく。
八丁堀「シックアプッテートル」の一皿。