命の不思議がしずくとなって、舌に落ちる。

食べ歩き ,

君は、どうしてそんなにいたいけなの?
肉体には、噛んではいけない気配があって、どきりとさせられる。
そして儚く、ほのかに甘い。
外子はプチプチ弾み、内子はねっとり歯にしがみつく。
ミソが、てろんと舌に甘えてくる。
そのミソとて、雄に比べれば、少なく、淡く、繊細な美しさを宿している。
命の不思議がしずくとなって、舌に落ちる。
「片折」にて