ハノイ救済報告vol3
ベトナム大衆食堂「クァン・コム・フォー」。
頼んだのは、あさりのスープに、高菜漬物と豚肉の炒め、カボチャのツル炒め。
土器つぼに入れられたご飯には、幅広の木箸。
「こうやって使います」。
同行のキエン君がお手本を見せてくれた。
取り皿はなく、おかずを直接ご飯に乗せるのが、ベトナムご飯のお作法。
ご飯に乗せ、ご飯と掻き込む。
おかずの汁が沁みゆくご飯。
高菜漬けぼ酸っぱさと豚肉脂の甘み。
ツル菜のよう細かい毛のあるカボチャツルのほろ苦みと
ニョクマムのしょっぱさとにんにくの香り。
トマトの酸味が生きた、浅蜊の滋味に富むスープ。
もう嬉しくなって、お腹いっぱいなことも忘れてご飯をお替り。
キエン君がオコゲをこそげ取ってくれた。
おかずの次はスープ。
これはご飯を少し端に寄せて注ぐ。
ほんのりご飯とおかずの汁が交じり合う。
最後はご飯にかけて、ザブザブザブッ。
高菜もツルも入れて、ザブザブザブッ。
「幸せだあ、幸せだあ」と、
何回も呟いたことか。