水天宮「ラピヨッシュ」

サラダに命を吹き込まれる。

食べ歩き ,

葉は、命を摘みとられているのに、まだ太陽にむけて葉を広げ、根は、大地から養分を吸おうとしていた。

サラダを噛んだ瞬間に野菜が叫ぶ。

小松菜は薄いのに、噛む喜びを伝え、蕪や人参には、脈動がある。

マッシュルームは、いまから胞子を発散させるかのようであり、コールラビは梨に似たみずみずしい食感で、甘味を舌にしたたらせる。

血脈に、養分が送り込まれる実感に、目を細め、笑う。

的確なビネグレットの量と酸味と塩気が、野菜の命を引き出し、我々が生かされていることを自覚させる。