カンテサンス1/13

食べ歩き ,

カンテサンス1/13
「今日はいいハラミが入ったので、炎の中でいじめるように焼いて見ました」。
三つ星レストランでは、普通に考えるとハラミは使わない。
食材に貴賎はないという、素直な岸田シェフの考えなのだろう。
1月だというのに、トリュフも使ってない。
数年前に彼が言った言葉を思い出した。
「高級食材はほぼ手をかけなくてもおいしい。キャビアは缶を開けるだけ、トリュフは削るだけが料理人の仕事になる。僕はそれがどうも納得できないのです」。
ハラミは、バリッと焦げ香が凛々しく、噛みしめる喜びがあるしなやかな肉体と、ほんのりと漂う内臓の香りが生きている。
そこには焼肉屋やビストロでのコーフンがあるのだが、みかんの酸味と甘みが優しく、そっとエレガントへと気持ちを寄せるのだった。
1/13カンテサンス
1 アーモンドパウダータルト 甘い香りとせいこ蟹の香りと
2泡は香だけ、セロリ、タルティーボ 鳩のレバー。穴熊
香えい、苦味 レバーの甘み、穴熊の食感
3 ヤギのミルクのババロア 百合根とカシューナッツ
4 白子 貝の出汁で ポシェしてからさまして。ミニフヌイユ 熱々のピーカンナッツ ライム グリーンオリーブ ピクルス
締まった白子の色気とクリーミーさが織りなす優美
5 根室生ウニのタルトフランベ ホッキガイ カリカリに焼いた桜海老。チーズと焼いたパプリカのムース。
岸田シェフお得意の郷土料理の新たな提案
6 ファグラ カカオのチュイル 焼き茄子をシェリーヴィネガーに漬け込んで 茄子のいい意味での野暮ったい甘みとファグラの脂の香りが響きあう 濃い酸
7キンメ魚 レモンひろっこ アンチョビ、カシューナッツ 縮みほうれんのラビオリ 菊芋
8ハラミ
炎の中で焼いていく みかんのソース
みかんのゼストとクランチ
9 アンポ柿のシャーベット 生の柿
アンポ柿の香りとねちっこさがシャーベットと対比を成す
10 アルマニャックとショコラのムース 紅茶の泡
11 安納芋のスイートポテト 芋皮のクリーム 芋けんぴ
12メレンゲのアイス 塩気片方だけ