カリフラワーはキャベツの変種で、ケールフラワーやコールフラワーから名前が変容したと言われている。
フランス料理では、ムースやスープなどにされて、その優美な甘さにうっとりとさせらるが、一般的には茹でられて、どちらかといえば素っ気ない味だという印象だろう。
しかしこの料理を食べれば、概念が変わる。口の中で、花蕾のほろほろと崩れゆく姿に目を細め、茎にふわりと歯が入っていく感覚に笑みがこぼれる。
花蕾の繊細な甘味に切なくなり、茎を食べれば、甘い香りが鼻に抜けて、味わいの中にしたたかな旨味があることに驚き、喜ぶ。
そして食べ進めば、たくみに計算された酸味や辛味、散りばめられた様々な食感が、カリフラワーの凛々しさを高めていることを知る。
青山「BURN」米澤シェフのスペシャリテ「カリフラワーのロースト」