カスレは料理ではない。ガトーである。

食べ歩き ,

豆部部長伊藤くん カスレがこんなにも奥深いものだとは知りませんでした。
「カスレは料理ではない。ガトーである」。
「今日のカスレは、3週間かけました」。
「カスレは三回混ぜ返して、初めて本物の味が出る」。
もう言っている意味がわかりません。
最初のガトー発言は、カルカッソンヌのカスレを教えてくれたアンドレパッションさんだそうです。
今回のカスレの会でカスレを作ってくれた、料理人歴30年の横山勝利シェフが、ご本人に教えを請うた時、言われた言葉です。
何しろ10人いれば10通りの作り方があり、それぞれがうちこそ本物であると主張するカスレですから、様々なやり方がある。
ガトーだと発言なさったのは、おそらくストーブ2週間かくらいかけておいて、随時食べるからだと思われます。
また3週間かけて作ったというのは本当で、塩漬け豚やトゥールーズソーセージなどを作るのに1週間、そして鴨のコンフィや豚脂、豚足のコンフィを煮るのに数日、そしてカスレは、焼いては冷まし、中をかき混ぜてを焼きを四回繰り返したと言います。
しかもコンフィや炒め用の油には、ガチョウ油を使っています。
さらに三回混ぜかえすの真意は、焼けたらうっすらと色づいた表面を中へ織り込むようにまぜ返すとのことです。
こうすることによって豆は、肉のエキスだけでなく、表面の軽く焦げた風味もまとうのです。
食べればなんと、豆が力強い。
本来の甘みとともに、猛々しい肉のエキスと焦げ香、さらには上面に濃縮された風味も取り込んでまいます。
ほら普通のカスレより、豆の色が濃くなっているでしょ。
つまり、豆一粒一粒がカスレになっているわけですね
ビストロバーアヴァンコダマにて
Cassoula de Castelawlary
カステルノダリー風カスレ