はしご男

食べ歩き ,

「和喜知」はいい店だ。
まず気働きがいい。
若いご主人の創意工夫と江戸前仕事への敬意がいい。

酢と塩で閉めた鯵
うまづら、肝合え
まこがれいのうにのせで酒を飲み。
うにの塩漬けとうにのもろ味味噌漬け、めふんで酒が進む。

ここで握り。
つぶ貝
とろを鰹のように藁であぶって野趣を醸したもの
こはだ
煮あわび
にんにく醤油で鱒
人肌 車
オスの蝦蛄
穴子
うに。
鉄火巻き。
充足の夜。

しかし、もう一軒いけるかもと、好奇心騒ぎ出す。
白菊さん、わかるよね。

 

初めての薄野「田なべ」
ご主人はいなかったが、酢飯の味わい、握りなかなかよし。
平目、こはだ、海老、赤身、数の子、毛ガニ、鱒、しゃこ、鉄火巻き。
まだまだ入りそうな自分に嫌気さして、店を出る。

しかし帰らない。
昔ながらの、うますぎない醤油ラーメンが無性に食いたくなる。
「とらや」へ。
懐かしい。
こってりと醤油利いて、醤油が勝ちすぎたバランスの悪さがまたいいと思う五十代。