どの客も「まぐろぶつ」

食べ歩き ,

「まぐろ」。
錦糸町「三四郎」では、どの客も座るなり、「まぐろぶつ」を頼む。
そして好みの酒を頼み、次に発する言葉は、「くりから」である。
長年の通いで、一ミリも揺るがないのだろう。
ワサビを醤油に溶いて、マグロをどっぷり浸けて頬張り、すかさず酒を飲む。
くりからに山椒をかけ、串からしごいて食べ、好きな酒をあおる。
「三四郎」に帰ってきたと思う瞬間である。
もつ煮込みは優しい味で、ハムカツは薄いのを3枚重ねた嬉しいスタイルで、ニラ玉は、柳川鍋で湯気を上げて登場し、五色芋は、とろろ芋の上にタコやらマグロやらいくらを乗せた豪華絢爛の肴である。
僕はこいつらを、焼酎ハイボールで迎え撃つ。
ここのそれは、甘みが少なくすっきりとして、肴の味を斬りながら、すいすいと飲めてしまうのだな。
もう、夏のために生まれたハイボールなのだよ。