山吹色のラヴィオリが、静かに呼吸している。

食べ歩き ,

山吹色のラヴィオリが、静かに呼吸している。
ソースをからめてラヴィオリをすくい、そっと口に運ぶ。
薄いのにコシがあるパスタが溶けるように消えると、ポレンタとチーズがゆるりと舌に流れ出す。
ああ。
パスタが消えゆく食感とチーズやポレンタが消えゆく食感が共鳴している。
共に抱き合い、消えて、うたかたの夢となる。
パスタとチーズとポレンタが、一つの命となり、歓喜を口ずさむ。
味わいはやがて、切ない甘美となって、官能を陥落させる。
「ヴォーロコズイ」の「ポレンタとタレッジョチーズのラヴィオリ」
全料理は