間違いなく恋。 2018.09.09 日記 , 東京 , 魚介 , 割烹 Tweet 「嬉しい」。 アマダイは、そうささやいていた。 「幽庵焼きにされて、私は嬉しい」。 立派な体躯は、喜びに満ち溢れてふっくらと。 箸を入れれば小さな湯気が立ち上る。 身は、口の中で花びらのように舞い散って、うまみを咲かす。 幽庵地の甘辛い味と微かな柚子香が、アマダイの皮下の甘いコラーゲンと抱き合って、響きあう。 濃い下味と勇壮な魚の滋味が合一して、丸く、新たな宙を作る。 これは、間違いなく恋だ。