<六十年前のレシピ再現>「京静華」9/28

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<六十年前のレシピ再現>「京静華」9/28 2020
棒棒鶏、エビチリ、酢豚、麻婆豆腐。
どれもが日本人にはおなじみの料理である。
しかし全く印象が違う。
どの皿も厳然とした品格があり、味に深みがある。
去年の9月に、京都「京静華」で、「中国名菜譜」のレシピを再現する料理会が行われた。
「中国名菜譜」とは、1958年から60年にかけて10冊出された料理本で、中国全土の代表的料理を初めて編纂した料理本である。
当時実施されていた社会主義的改造の一環で、今まで門外不出であった、秘伝料理法の全人民所有制:有名レストランの料理法の公開を、国が指導して出版化されたものである。
中国が建立されて以降初めての中国料理大全に納められた映えある料理は、それから半世紀以上が経ち、変わっていったが、当初は戸ぷであったのだろう・
宮本シェフは、お持ちの原本を読まれ、限りなく近い形で再現された。まさにシェフの才と知見あっての料理会である。
★棒棒鶏
芝麻醤の要素少なく、花椒の香りが強く華やかさがある。
甘みは今の棒棒鶏に比べれば淡い。
鳥の優しい滋味を感じられる、絶妙なる味付け。
鶏は楽山落花生の産地に育ち、それを食べた美味しい鶏だという
沸騰寸前で三回水を刺し、そのまま冷ましたものを使う。
筋がしっかりした鶏であり、なにより正確に同寸同幅に咲いているのが素晴らしい。
★北京烤鴨.
国家が国賓を招くときの代表料理にしようと考え、周恩来は、北京の全聚徳
を国営にし、中国最高峰の料理として広めようとした。
そのため、この料理だけは特別に、20ページを使い、写真と図まであるという。
しかも第一巻の第一章にあり、羽根のむしり方、内蔵の取り方から説明されている。
昔の北京ダックは、70日間普通に育てて、20日は肥育した3キロくらいを使ったという・
今は2キロで小さい、50日くらいで集荷したのを使うという。
しかし本日は特別に取り寄せた、3.5キロのダックである。
噛んで目を丸くした。
なんというたくましい脂だろう。
皮下の脂の甘みが、甜麺醤を凌駕しようとしている。
噛むとじわじわ出てくる脂の甘みが凄まじい。
★紅焼大群翅
本当はエイを使うのだという
今日はハンマーヘッドシャーク胸びれである。
ゆえに立派な太さである。
上湯をくわいの澱粉を使ってとろみをつけているため。さらりとして上品な口当たりである。
★炒蟹粉
上海蟹
★松子燻肉
 松の実と煮込んで燻した料理。
★干焼大蝦
 昔は125gくらいのでかい蝦を使った。
 今日のは、南太平洋の大きな大正海老。
上海の四川料理人が、ケチャップや豆板醤を使ったのではと言われている。
甘さがなんともほどよい。
穏やかな味わいで海老の香りが迫ってくる
★炒咕咾肉
 酢豚、
大正年間に中国料理が流行った時に日本でも脚光を浴びた料理。
ルーラオは、お腹が鳴る音グーグーなる、あるいはうるさいという意味もあ
る。
★鮮茄子汁
新鮮なトマト汁という意味だが、当時は新鮮なトマトが手に入りづらかったはずで、鮮はおいしいという意味もあり、ケチャップかもしれない。
60年前のレシピである。
★陳麻婆豆腐
名菜譜が出るまで、自分のレシピを発表することはあり得なかった。
豆板醤の歴史は意外に浅く、1980年後から流通した新しい醤であったため、当時のレシピでは使ってない。
豆腐は、石膏豆腐。硫酸カルシウムで固めた絹ごし豆腐である。
牛肉を用い、豆豉が多い。
醤油が少し、甜麺醤も少し。唐辛子と山椒で麻辣を。
油が多く、スープ少なくて、豆腐が崩れないのが特徴。
牛もも肉を、噛み締める感じがすばらしい。
豆腐との対比的な食感が互いを生かす。
★棗泥鍋餅
 棗クレープ
★杏仁糊。
臼で、杏仁をひいてお米と胡麻も煮て、