甘エビに

食べ歩き ,

甘エビにブッラータとトリュフ。
これらが出会うとは思わなかった。
しかし甘エビがとろんと溶けゆく中で、ブッラータが乳の香りを漂わせながら舌の上で優しく崩れていく。
両者の出会いに、食感にときめきがある。
そしてそこにトリュフがそっと色香を付け加えるのであった。
そして、ポルケッタである。子豚ちゃんである。
皮がパリンッと威勢良く弾けると、皮下のコラーゲンがちゅるりと舌にしなだれ、微かについた脂が甘く香る。
肉はしっとりと、つたないうま味を伝えて、命を問う。
お次は、焼きうなぎと穴子のリゾットだあ。
リゾットに穴子の香りが満ち満ちていて、「おう、兄弟仲良くやろうぜ」とうなぎに声かけている。
さらにはピッツァは、ンドィヤとフリッタである。
巨大フリッタを切れば、トレヴィスと黒オリーブの香りを爆発させて、僕らの食欲を鷲掴みにする。
もう食えん、もう飲めんというまで食って飲んだ、「ピッツェリア恭子」の夜。
しかし、マイクで料理の説明するシェフは初めて見た。