豚焼肉である。
京都で豚焼肉である。
西院まで来た。
「いらっしゃいっ」。
入るなり、御年70になられるお母さんが明るい声で声かけてきた。
息子の兄弟が声かける。
まずは名物蒸し豚と行こう。
常連は、何人前と頼まずに、「俺は300g」といった具合に、グラムで頼んでいる。
蒸し豚を注文すると、入り口脇でお母さんが丁寧に切って盛り付ける。
肉はしっとり、脂はダレていない。
甘辛ダレをたっぷりつけて頬張れば、笑いが出る。
おつぎは、豚足に味塩かけて頬張れば、指まで舐めちゃう。
さあ焼きといこう。
ホルモン盛り合わせ、仔袋、レバー、天肉、ホソとナマセン(これは牛)、バラ肉、腸焼き、豚トロと、次々と焼いてみよう。
ジンギスカン風スリットの入った山形鉄板で焼いていく。
これはたまらん、止まりません。
食べるごとに、鼻息荒くなり、陽気になり、酒が進み、笑い声が大きくなり、コーフンして、幸せ滿つる。
これはいい店見つけたぞ。
京都「水月亭」にて。