ちらし寿司で酒を飲む。
今日は根津の「正治」で、昼酒といった。
酢飯の上には、かまぼこ、筍、酢バス、椎茸、イカ、キンメ、赤貝、鳥貝、車海老、中トロ、赤身、コハダ 、たまご、平貝、煮帆立、シヤコ、穴子が、身を寄せ合っている。
ああ、実にゴーカでないか。
ああ、酒を飲めと言っているではないか。
まず穂紫蘇を散らし、食べ始めた。
お相手は、菊水の熱燗である。
かまぼこにわさびと醤油をつけて食べ始め、数の子、イカ、コハダ 、酢バス、車海老、玉子焼きなどを、ちょっとずつ齧りながら酒を飲む。
こんな楽しみは、酒飲みにしか、わかるめえ。
やがて酢飯が恋しくなる、赤身、ハマチ、中トロ、コハダ で、酢飯を包みながら食べ、飲む。
最後は、玉子焼きと穴子を細かく崩し、干瓢と酢飯を混ぜて、バラチラシと洒落てみた。
これがまたおつで、笑っちゃうねえ。
もうちょっと酢飯を残しておけばよかったな。
しかしちらし一つで、これだけ楽しめるたぁ、しあわせだね。