札幌「アグリスケープ」にて。

愛しい気持ちが迸る。

食べ歩き ,

吉田夏織シェフは、ユーミンのような人である。
笑みをたたえた眼差しと穏やかな口調で、野菜や肉への恋を語る。
野菜や山菜、羊や豚、鶏のことを、自分の子供の魅力を伝えるかのような慈愛に満ちた口調で、説明する。
愛しい気持ちが迸る。
聞いている我々も、心が安寧となり、食材への想いが高まり、ふんわり自然に溶け込んでいく。
そして食べる。
噛み締める。
食べ終える。
余韻を噛み締めていると、静かな恋が生まれたことを気づく。