白トリュフというものは、人を陶酔させる官能的なエッセンスがあるが、同時に扇情的な要素もある。
隠微な香りを揺らめかせて、感情を焦らすような気分もあれば、脳幹を鷲掴みにしていたぶる、荒々しさもある。
つまり、うっとりと夢見心地にもさせるが、体に眠りし荒々しい衝動も叩き起こす。
人はこの二面性というか、アンチノミーに翻弄されるようである。
品を漂わせる色白の貴婦人が、突如見せた毒々しいまでの色気に、コーフンするのである。
そこでその魅力を何で味わうのがいいかと言えば、リゾットに尽きると断言したい。
米は優しく包容力があって、そのアンチノミーを見事に受け止め、開花させるからである。
「ラ・ブリアンツァ」にて