「SÉZANNE」 のことを、「今年出会った最もエキサイティングなレストランかもしれない」。と書いた。
しかし今年、もう一軒に出会った。
9月に開店したての「LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)」である。
シェフ青木誠さんは、22年間フランスで生活し、13年パリでレストランを営んでいられた。
ホテルブリストルに近いパリ8区で、多くのフランス人のエグゼクティブに、気軽に楽しまれてきた料理である。
アミューズの鳥肝のテリーヌを一口食べてやられた。
珍しい料理ではないが、香りに複雑さがある。
その複雑な香りの絡み方が優美を生んでいる。
その後の料理もそうだった。
異国食文化に触れたスリルの味でもある。
青木シェフは、なかなか理解されないと悩んでおられたが、一緒に働かれるお姉さんの一言が効いたという。
「あなたの料理を作ればいいのよ」
シマアジに惚れ、ガルニのフヌイユに惚れたと話すと
「パリではフヌイユは2ユーロですがこちらは2千円もするんです」といって、苦笑いされた。
苦労は多かろう。
理解も遠いだろう。
でもこのままパリの香りを届けて欲しい。
日本人ですが、日本人の表現とは違うやり方で、食材にエレガントを吹き込んで欲しい。
「LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)」
★鶏レバーのテリーヌ ハツの脂 赤ワイン 玉葱 FB参照
★Cuisses de Grenouilles Frites à la Purée d’Ail au Persil
グルヌイユのフリット ニンニクのピューレパセリ風味。ミルクの泡。
ニンニクの風味の出し方の柔らかいこと! それが蛙の優しい肉体と抱き合う。パセリのアクセントの強さも精妙。素晴らしい。
★SHIMAAJI Mariné à l’Aneth, Fenouil, Orange FB参照
シマアジのマリネ ディル風味 フヌイユとオレンジ
フヌイユオレンジで煮て、レモン、コリアンダー 砂糖 干し葡萄。
エレガント。
★Coeur de Boeuf Oomiush, Calamar, Haricot Blanc,Poivron Rouge, Oignon, Estragon
近江牛ハツのコンフィー, スミイカ,大白花豆のラグー バルサミコ シェリーヴィネガークリームのラグー ラグーに秘めた酸味の出し方が絶妙で唸る。
ハツ低温調理 ベルシャード
★Espadon Confit , Artichauts à la Barigoule,Caviar d’Aubergines, Tomates Confites
カジキマグロのコンフィー,アーティチョーク、茄子のピューレプロバンス風
オリーブ油でコンフィされた、しっとりとくずれゆくカジキマグロのしなやかさもさることながら、ガルニの美味しさに目を見張る。
滑らかで優美に甘い、こんななにおいしいキャビア・ド・オーベルジーヌは出会えない。
アーティチョークのバリグール。なんと美味しいんだろう!!
アーティチョークの火入れが素晴らしい。
★astilla d’Epaule d’Agneau, Purée de Carotte à la Coriandre
仔羊肩肉のパスティア, キャロットのピューレコリアンダー風味
じっくりパートフィロ粉糖と 五香粉。人参のピュレ酸味 ごぼうのセック。紫マスタード!
皿からパリの香りが立ち上る。他国の食文化を巧みに取り入れて自分のものとして来たフランス料理のエスプリが輝いている。
★Moment de Thé
お口直しのお茶
緑茶とジャスミンティー レモンとミント
★de Kuroge Wagyu Sirloin (OKINAWA), Gratin de Dauphinoisは
沖縄産 黒毛和牛のロティ, ジャガイモのグラタン
鹿児島経産厚く、もう一方は細く切ってある、この切り方も面白い
また焼き方も変えて肉を生かしている。見事、
ドフィノアの裕福な味わい。ああ、たまらない
★Fromages +¥1000
本日のチーズ
★Compote de Figues, Glace au Lait Salé
イチジクのコンポート,牛乳の塩味風味のアイス
いかにもフランス人が好みそうなデセール。
ババ!
★Petits Fours
フィナンシェ素晴らしい