土曜丑の日にはうなぎは食べない。
混雑し、日に何本も鰻を焼かねばならず、その日のために鰻をたくさん用意しなければならない。
鰻屋にとって決していいとは言えない条件が重なるからである。
さてこの鰻は、青山「伯雲」の鰻である。
見事な焼き具合だった。
皮側を重点的に焼いたのだろう。
噛んだ瞬間に、皮はパリンッと弾け、皮下のコラーゲンの甘みが舌にじっとり広がっていく。
身はふんわりとして、甘いご飯を包み込む。
やはり地焼の鰻は、この剛と柔がないとおいしくない。
よく焼けたうなぎとはつまり、柔道の手練れなのである。
オリンピック見過ぎのせいか、例えがこんなになりました。
見事な焼き具合だった。
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