・ブリオッシュ
暖かく、バターの香ばしさを振りまきながら、溶けるような軽やかさで消えていく。
・ガスパチョ カッペリーニ
自然農法の野菜で作り、やや太いカッペリーニを固く茹でて作ってある。
土そのものを食べている感じ。
えぐみや甘みがやわではない。ダレてない。
ガスパチョとは、夏の暑さを癒す冷たいスープではない。
本来は、夏の生命力をいただくスープなのだということがわかった瞬間だった。
・メークィーン ラルド
帯広さんの芋で、通常は一年間のところを、平置きで2年間寝かせたものだという。
食べた瞬間、蜜のような香りが広がった。
芋の水分が、そのままキャラメル化したような、サツマイモの甘みに似た味わいが、ねっとりじっとりと舌を包み込む。
・鮎 稚鮎と鮎の間の鮎を丸ごとペーストにしたものである。
それは、鮎のすべてだった。
食べると川床でコケを探して泳いでいる風情が湧き上がる。
イタリアにこんな料理はない。
しかし食材のすべてを一つにして味わいつくそうという、イタリア人の根性が、食いしん坊欲が満ち満ちている。
もしイタリア人が鮎を常食していたら、きっとこんな郷土料理が生まれたんだろうなあと思う。に鮎がいたらこんな料理が生まれるはずである。
・尾鷲の鱧のフリットラルド
身厚で立派。
サクッと噛めば、甘い湯気が顔を包み、猛々しさと優しさを内包した鱧が現れる。
・あさりリゾット。
これはむき身以上に入っているのではないか。
食べた瞬間に、あさりと同化した感覚が襲ってきた。
口の中が、あさりが生息する、汽水域に浸かっている。
目をつぶれば、自分が砂地にはまって、呼吸している。
あさりの滋養が口を満たし、その中を米の優しい甘みがゆっくりと過ぎていく。
数々のアサリ料理を食べたが、これほどまでにあさりの勇壮さを感じたのは、に初めてである
・カメノコ
噛むほどに、噛むほどに、味がコメカミに染みていく。
舌の両端の奥に、余韻が残る。
これぞ、肉を噛む喜びなり
・バターと宮古島レモンのヴィチドーミニ
レモンの太さを感じる。
レモンの生命力を感じるパスタ。
・豚バラの煮込み。
丸い。豚の脂が丸く深くなって肉を抱きすくめる。
プリン
ヴィエディロマンス ヴィニャでイガヤ
グラヴナー