〜東京の財産〜

食べ歩き ,

〜東京の財産〜
抑制された味わい。
うまみが過多でない、しみじみとした滋味が湧き上がってくる。
なにかこう、料理人の意思が消えて、
素材の力、夏の恵みだけが生き生きと存在する素直な味に
一皿ごとにうなづく。
塩梅だけに片づけられない、調味の着地がめくるめく。
ウニと鱧の浮き袋の煮こごり。
薄切り野菜
蟹酢ゼリー
鱧の飯蒸し
薄っぺらな糸茶碗に込めた豊満な味わい。
沢煮椀
お造りは、鱧とかれいとあおりいか。
うるか

天然ウナギ
そば。
恐らく昔は多く存在しただろう、真っ当な割烹の
淀みなき、実直な贅沢。
東京の財産。
新橋「ひろ作」にて