「三谷」

食べ歩き ,

次の予約が、来年の連休明けという、救済しようにも救済できない店。
「三谷」救済。
どこのすし屋に行っても出会うことのできない。
贅沢かつ大胆な食材使い。
幾度もの試行錯誤の上に生み出された料理。
古き文献を読破、研究しての料理
単なる熟成ではなく、肝付きで1日
肝を抜いて冷蔵顔の段を変え2日
また半身にして1日など。
これまた苦心惨憺の上に生み出された熟成のうまみ。
「単なる思い付きではしません。師匠の教えや先達の言葉や理論を守り、
そこからいろいろ編み出していく」
という三谷さんの料理は、
高級食材に目を奪われがちだが
つまるところ、食材への限りない敬意に満ちていて
どれも塩が舌に当たらず優しい。
高価だが、ある意味お値打ちなのだ。

さて写真は
鰯ステーキと〆マグロ
〆マグロは江戸時代の仕事で、おそらく保存と脂っぽさを嫌ったゆえの仕事だろう。
主役は鰯。
鰯の豊満な脂が、〆マグロのソースによって
何とも色っぽく上品に膨らむ瞬間に
鳥肌が立った。

蟹とこの子のスープ。
おぶしとめぶしの肝を合わせ、縁側のゼラチン質を溶かしたソースをかけた蒸しアワビ
およびその海苔巻!
きんきの肝を炊きこんだご飯ときんきのレアステーキ。
煮ごぼうと穴子の素焼きはオーセイデュレスに合わせ、
山の土、海の土、畑の土が見事に調和して天に昇る。
もうこれ以上書くと顰蹙。
至福の24品。