オカマのフグ?
赤坂「鴨川」。
女将さんと10年ぶりに再会。
増々お元気で、フグに心底惚れ込んでいる様子に、心打たれる。
天然三キロという、めったにない見事なフグで、朝締めのためまた身が寄れている。
白子も運ばれた瞬間歓声が上がるほどの、堂々たる体躯。
中骨や、カマ、うぐいす。
噛むごとに味がにじみ出、口の中を攻め込んでくるようなうま味の洪水に、
ただただ圧倒される。
唇と手は、コラーゲンでテラテラテカテカ。
昨夜あれだけヒレ酒とワインとバーボン飲んだのに、すっきりと目覚めたのは、
三年フグの効能か。白子の精か。
最後の三段活用雑炊も、ご飯とフグのうま味の抱擁具合が変化して、
「はあ~はあ~」と充足のため息をつきながら、天を仰ぐ。
「最近は卵巣と精巣が両方あるフグがいるのよ」と女将。
海の中も草食系男子と肉食系女子が増えたということか。
あるいは、子孫繁栄への危機感なのか。