やはりこの人は、変態です。
あまりに僕が変態と褒めたがために、田舎町の土佐町にありながら、年内夜の予約は満席という異常事態に陥ってしまった。
「もう仕込みが忙しくて、新しい料理ができません」。
と言いながらも少しも大変な感じがない。
だってそうでしょう
メニューを開けば、ラグーは、猪、鹿、鴨、牛と4種類にべボーゾや胃袋、牛テールの煮込みまである。
たった1組の夜のお客さんのためにこれだけ用意してある。
さらには豆のスープがあるというので、つい頼んだ。
まめの野菜クズの出汁に、バターナッツ南瓜と瓢箪南瓜をいれ、玉ねぎとセロリのみじん切りと、わずかな自家製バンチェッタを煮込んだズッパである。
一口飲んで、顔が輝いた。
「うますぎないのがとてもいい」というと、なんとも嬉しそうな顔になった。
そしていう。
「豆のスープをもつと作りたいんですが、頼む人がいなくって」と、寂しそうな顔になる。
やはりあなたは変態です。
寝る間を惜しんで料理を作る、愛すべき変態です。
その高橋シェフが考案した、目が眩むおいしさのカツオの生ハムと鰹のハーブカツを見たい方は、こちらで。