虎ノ門「ピルエット」

食べ歩き ,

虎ノ門「ピルエット」の小林シェフは、野菜を見ながら次々とメニューを考える。
「毎日入荷してくる野菜の種類と量が違うので、それを生かしてやるためにはアラミニットで作り考えなければならないのです」。
若いスタッフがきびきびと働くオープンキッチンは、小気味好く、それぞれが見事に連携をとっている。
「トマト今度の皿で使い切るけど、もうないよね」
「いや、後一ケースあります」。
そんな会話を聞きながらの食事も楽しい。
「オマールの冷たいポトフ」は、オマールのフォンと野菜の出汁が自然に溶け合った淡く優しいうま味を持った冷たいスープにティエドのオマールをからめて食べるのが、なんともいい。
丸茄子は、ブリードモーを乗せて焼かれ、茄子の甘みが広がる中に、ブリーの香りとコクが追いかけて、少し色っぽくなる。
生姜をスェして作ったという、もったりと重いトマトソースには、クミンが効かせてあり、茄子にとても合う。
インド料理のベイガン・パルタを、フランス人が考えたといった風情があって、これまた面白いのである。

 

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