荻窪「有いち」

食べ歩き ,

荻窪「有いち」。
白筍の純真な甘み、稚にしん寿司のつたない香り、
赤貝のびると分葱のぬた、黒メバル煮つけの味の染み具合。
酒が進んで、二人で9合は飲んだか。
〆は、あんかけ飯。
春が、ご飯の上で喜んでいる。
生を受けた感謝を、溌剌と放っている。
春の淡さと苦みを、甘いご飯と上澄みのダシが優しく受け止める。
なんとも心地よく、
陽だまりが、喉奥と胃袋に居座って、ポッと温め、
幸せが満ちていく。
御馳走様。