熊の手丼である。
藤井さんは熊の手をあら炊き同様、甘辛く煮た。
一番長い中指をいただき、指をしゃぶる。
すつぼん、豚足、鹿のアキレス腱、クエとコラーゲンがたっぷりな食材はたくさんあるが、これは史上最強であろう。
てれん。とろん。ねっとり。
口、舌、上顎、歯に、甘い声で抱きついてくる。
ほどこうと思っても、こうなったら一心同体よと、からみついてくる。
あとはこの最強コラーゲンと一緒に、甘美に浸かるだけである。
よしそれならご飯も道連れにしてやれと、丼にしてみた。
わははは。
わははは。
あまりのおいしさに出会うと、人間は笑うしかなくなるのだな。
富山「ふじ居」にて。