母と娘の3人で営む洋食屋  <京都の平生>17

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「次女がシェフです。長女はサービス。でも力持ちだから、ソースとドレッシング、それにデザートを作っています。わたし? わたしはリーダー」。そういってお母さんはケラケラと笑った。

母と娘の3人で営む洋食屋は、4代続く老舗である。

ハンバーグ、海老フライ、ポークソテー、ビーフカツ、タマゴサンドといった、おなじみのメニューもあるけど、それ以外の料理が大変多い.

恐らく、80はあるのではないだろうか。

それを次女一人で作っているのである。

しかも味のぶれなく、すべてにおいて料理の芯がしっかりとして、余分がない。

スモークサーモンとマンゴーは、完熟手前を使って、サーモンとあわせ、ウイキョウのサラダは、アニスの香りがほのかにきいて、ほのかに刺激的なウイキョウの味を柔らかくする。

スペアリブは、様々なスパイスが刺激的に豚肉の味を盛り上げ、肉の香りがするハンバーグは、ひき肉がきめ細かい。

カレイの味が染みたジャガイモは、しっかりとローストされ、イイダコ茹で上げは、塩加減がピタリと決まっている。

トマトとオリーブ油の炊き込みご飯は、トマトの味の塩梅良く、微かなクミンが食欲を掻き立て、アルデンテの炊き具合がすばらしい。

マカロニグラタンは、なんと言ってもホワイトソースがため息でるほど、おいしい。

おそらく、父や祖父、曾祖父の教えを守り、敬意を払いながら、新たな料理を増やしていったのだろう。

そんな母娘3人の、人情と誠実が味に染みて、食堂は多くの人に愛されている。