東京ポークソテー会議5浅草「ゆたか」
肉5 焼き3 ソース3 付け合わせ2汁3香の物2ご飯3 計21点 肉と焼きは5点 満点は25点
路地にしもた屋風の粋な店構え。古き良き料理屋の誠実と矜持が漂い、夕刻となって、明かりが灯る頃合いに暖簾を潜るのがなんとも、心地よい。
凛とした染付丸皿に盛られて出される「ポークソテー」は定食で二千円。常連の中には、これを目当てに訪れる客もいるという。
噛めばきめ細かい肉はほのかな甘みがあってしっとりとし、肉汁も豊かであり、脂も甘い香りを残しながら、すうっと溶けていく。
そこにかかるは、独自のデミグラスソース。品のある薄味で、割烹の照り焼きのように豚肉の味を静かに支えている。キャベツもソースを絡めて食べても美味しい。また辛子や七味を肉につけても、このソースなら受け止めて、別種の美味しさとなる。
ご飯、味噌汁、お新香とともに気の入ったもので、曇り無し。キビキビとしながら行き届いたサービスも心地よい。
またこの店は、居酒屋並の肴が充実し、板わさ、まぐろぬた、焼き鳥、塩辛、酢の物、茶碗蒸し。腹が膨らまない程度の、酒飲みのツボを心得た肴が用意されているので、肉の前にいっぱいと洒落てもいいだろう。