東京ポークソテー会議2 浅草「すぎ田」
肉5焼き3ソース3付け合わせ3汁3香の物3ご飯3計23点満点 肉と焼きは5点 満点は25点
とんかつ屋の名店。「ポークソテー」は、ロース二千百円、ヒレ二千四百円。ソテーし、オーブンで焼かれ火が通されるソテーは、フランベし、煮詰めたウィスキーとバター、醤油で仕上げられる。
二口大に切られた肉は、表面が膨れて肉汁を保っている様子がわかり食欲そそる。
茶色く輝くソースに絡めるようにして食べると、途端に体の力が抜ける。「ああっ」といってだらしない顔になって、ご飯を描き込む。
バターのコクと醤油のうま味が、豚の甘みに加わって深みを増し、そこにウィスキーが香って、どこにもない味になる。
どこにもない味は、絶妙な煮詰められ方で、丸い。舌を簡単に堕落させながらどこか毅然とした、大人と子供の両面がある。
豚を滑らかに包み、舌を優しくすぎ、くるんと心を魅了する。
また肉の繊維がきめ細やかで、そこに歯が入って繊維を断ち切る食感が、肉を食べているぞという思いを強くさせる。練りたての溶き辛子をつけて食べるのもお奨め。
ご飯セットは 円。つやつやと輝くご飯、肉とぶつからないように徹底的に豚の脂を引いて、旨味だけを濃縮させた豚汁、自家製のお新香、いずれも最上級である。