東京とんかつ会議22「T.dining」
小川町「T.dining」の上ロースかつ定食880円
<肉3、衣2、油3、キャベツ2、ソース2、御飯2、新香1、味噌汁2、特記カレー 計18点>
ゼータクに慣れていないかい? とんかつといえば、分厚く、柔らかく、肉汁たっぷりのものばかり追い求めていないかい?
この店のとんかつを食べた瞬間、そう問いただされた。880円のとんかつ定食は、十二分にとんかつという料理を食べる喜びを与えてくれる。中粗の衣は、カリッと香ばしく、油切れが良くて軽く、痛快な歯触りである。その衣が弾けて肉に歯がめり込めば、肉がきめ細やかでほのかに甘い。そこには、柔らかいとんかつを食べていては気がつかない、「肉を噛む」喜びがあって、噛めば豚肉の甘い香りが滲み出る。脂も切れよく、臭みなし。
塩加減がほどよいので、ソースをかけずともそのままで十分おいしく、ご飯を食べさせる力もある。もちろん甘酸っぱく、いやらしい味の濃さがないソースをかけてもよし。衣も最後まで剥がれることなく、肉を盛り立てる。
キャベツも切りたてではないがみずみずしく、ごはん、味噌汁ともに申し分なし。新香を1としたが、内容が少し乏しいせいで、価格を考えれば、必要にして十分。
甘みと酸味が溶け込んだ、ほのかにスパイシーなカレーの味も良く、間違いなくカツに合う。よし次回は、カツカレーといってみよう。