東京とんかつ会議140千駄ヶ谷「まるや」上ロースカツ定食1450円
[肉2油2衣3キャベツ2ソース1ご飯2味噌汁2お新香3特記なし合計17点]各項目3点満点特記1点総計25点満点
昭和の風情佇む町のトンカツ屋である。入ればカウンターだけの店をご夫婦で切り盛りされている。お昼すぎに出かけたが、遠方や通りすがりの客が訪れる風もなく、近所の馴染みさんだけが和んでいる平安があった。これもまた昭和の風情である。
トンカツを頼むと、二つのフライヤーを使い揚げ始めた。まず高温の油に入れ、次に中低温に入れ、最後に高温に戻して完成である。焦げ色の茶は濃く、衣はきめ細かい。
このきめ細かい衣がカリカリとして香ばしい。肉にもうしこし力あれば、この衣と相まって、より優れたトンカツになるだろう。油は白絞油。最後の高温が長すぎるか、フライヤーの深さの問題か、中央部のカツ3切れは、箸で挟むと衣が剥がれてしまうのが残念である。
こういう揚げの深いトンカツはソースがいい。しかしややソースの味がくどいので、皿にソースとレモン汁と合わせ辛子を溶いてみた。塩やソースよりも、これが一番このトンカツには合うように思う。
ご飯は柔らかめ、味噌汁は麦味噌で、賽の目の豆腐にわかめ、ネギの小口切りが入っている。お新香はきゅうり、人参、大根のぬか漬けで、なかなかいい。