過日、西荻窪「仙ノ孫」で、「仙ノ孫」早田シェフと、ホテルメトロポリタン長野の磐城シェフ、大阪「火の鳥」の井上シェフによる、料理人ばかりが集う中国料理勉強会が開かれた。
前菜からデザートに至る怒涛の21皿である。どの皿も、普段は出会うことのないような変態な料理である。
一皿一皿、唸り、目を開かせる。
悩んだ挙句、各シェフのベストは、早田シェフは、前菜の「卵と春雨のキノコXO醤炒め 」。凝縮した様々なキノコの旨味と香りが、渾然一体となってぐるぐる口の中を舞う、ご飯を欲しくなる一方で、ボルドーの古酒とも合いそうな料理である。
磐城シェフは、干しワカサギの豆豉魚醤 榻菜 強火炒め。
味が複雑ながら、なんとも優しい。おそらく二種類の豆豉を使い、干したワカサギの噛みしめるおいしさを加速させている。
井上シェフは、 広東名菜の「百花鶏 鶏の海老のすり身詰め」 見た目は鶏のローストである。
しかし食べると、海老も鶏もいる。
しかもどちらかが交互に感じるのではない。
海老と鶏の優しさが抱き合って、一つになっていながら、たしかに二つの存在を感じる、不思議な味わいに魅了された。
さてそのすべての料理は別コラムを参照してください