寄せ鍋が嫌い。
ごった煮状態が多いからである。
無神経な輩が多いからである。
せっかくの海老や貝を、三つ葉やえのきを台無しにする馬鹿がいるからである。
最も食べるのが難しい鍋だからである。
最良の状態に奉行しようとすると、手間と配慮がかかり、
自分が食べた気がしないからである。
しかし、大塚「なべ家」には、いそいそと寄せ鍋を食べに行く。
なぜなら仲居さんがつききりで、具を一品づつ順番に温め、火を通し、
よそってくれるから。
大女将が仕切る 小柱のせ雑炊のうまきこと。
切って並べただけで、後はお客さん勝手にやって。
では、もうお金は払いません。
ここを知ってからというもの。