山形「出羽屋」 再生。 2023.03.25 食べ歩き , 和食 , 山菜 筍 , 山形 Tweet 一皿ごとに、風が吹く。 深山にそよぎ、湧水に舞い、木々の間をすり抜け、草を揺らす風が、香りとなって、体の中を吹き抜ける。 精神の汚れを落とし、浄化する。 やがて心は澄んで、澄んで、静かに瞑想する。 「出羽屋」の山菜料理である。 ここは、かつて擬死再生の儀礼が行われてきた、月山の麓にある。 修験道が命の糧とした山菜は、清いままに料理されて、我々の口を喉を、そして内臓を洗う。 どの山菜も、人知れず自生しながら動物の息がかからないまま、皿に乗せられている。 その喜びに満ちた、静かな静かな命の滴が、本当の我々へと再生させるのだ。