内臓好きならいつも願っているだろう。
ランプレドットを家で食べられたらと。
その夢が叶った。
祖師谷大蔵の「フィオッキ」で完璧なるテイクアウトができるのである。
なによりも自家製パンのロゼッタが付いてくるところがいい。
袋にはそのロゼッタと真空パックになった、ギアラの煮込みとサルサヴェルデがセットされている。
煮込みを温め、待つ時間が愛おしい。
温まったらロゼッタの片面に乗せ、汁が浸透するまでしばし待つ。
ええい上のパンにも少し汁をかけちゃえ。
僕は汁だくが好きなのさ。
待つ間に少し煮込みを盗み食い。
野菜の甘みも滲み出て、上品に、丸く煮込まれているが、ギアラの香りがほんの少しあるとこがいい。
これがなきゃ、下品のお迫力はでないもんね。
さあ食べよう。
あむっと齧り付けば、穴の開いたパンのロゼッタにカリッと歯が当たり、それからムチっとしたギアラにはが食い込んで、煮汁の旨味が口いっぱいに広がる。
遅れてサルサヴェルデの酸味と香りがやってくる。
ああ。これを幸せと言わずになんと言う。
この食感の対比がいいのだな。様々な味が一瞬にして出会う、混沌感がいいんだな。
あむっ、あむっと食べ進んで、最後少し残ったところをオープンサンド風にして食べるのが好きである。
下の歯がパンの凛々しさを受け止め、上の歯が内蔵の優しさを受け止める。そして口の中はまた渾然一体。
だめだこれ。
祖師ヶ谷大蔵にまた行ってしまいそう。