モッツァレラが溶けてしまうのがいやなので

食べ歩き ,

「モッツァレラが溶けてしまうのがいやなので、フライパンの底が手で触れるような温度になってから入れます。ぬるいという人もいますが、元々イタリア人は、熱々も冷たすぎるのも食べないですから」。
「イルジョット」の高橋シェフは、イタリアでの修業先より、休みの日に地方を回って食べる料理に心惹かれたという。
温かくてたくましい、毎日食べても飽きないマンマの料理である。
このパスタは、カラブリア州を旅行した時に出会った。
カバティエリにからむのは、二種類のトマトとモッツァレラ、バジルにカラブリアの唐辛子入りソーセージのンドゥイヤ。
モッツァレラの甘いコクと乳の香り、バジルの香りにトマトの甘みにンドゥイヤの辛味がヒリリと効いて引き締める。
そしてカバティエリは、その中で嬉しそうに弾む。
モチッと歯の間で弾む。
僕らも当然嬉しくなって、もうフォークを運ぶ手が止らない。