トンカツは冷えたら美味しくない。
衣はしなり、衣に染みた油は酸化し、肉は硬くなる。
だから、いくらトンカツ好きだといっても、弁当のたぐいは一切手を出さない・
しかしこの弁当は、違うようである
「ワセカツ 奏す庵」のソースカツ弁当を食べて、「違う!」と膝を打った。
元々ソースに浸かっているので、衣のパリット感はなくとも美味しく食べられるように考えられているカツなので、冷えてもいける。
というより、出来立てもいいが、時間が経ってソースとカツが馴染み、別のうまさが生まれている。
出来立てのカツサンドもいいが、翌朝のカツサンドは別のうまさがある。
あれと似ている。
これは下品の迫力があっていい。
僕はカツ二枚を蓋によけ、まずカツをかじっては、甘辛いタレの染みたご飯を掻き込んだ。
しかるのち、カツを二等分して、ソースを少しだけかけたご飯の上にカツを乗せて、一緒に食べてみた。
いける。
酢飯ではないが、カツ寿司である。
次に、豚のしぐれ煮をかませて食べてみる。
豚on豚である。
はは。これも笑っちゃうな。
よし、今度駅弁勝負に、担ぎ出そう。