つくし

子供の頃春になると、大阪は茨城の阪急電車の土手で、つくしんぼうを採った。

あそこにも、ここにもと摘んでいると面白く、すぐビニール袋が一杯となる。

家に帰り、母と一緒にハカマを取り、醤油と砂糖で煮てもらった。

甘辛い味を噛み締めるとほろ苦く、かすかに甘く、口の中へ、土手の心地よい春風が吹き抜けた。